能登半島の子ども・若者たちが安心して過ごせる居場所をつくる
輪島市で子どもたちに安心してミチクサできる時間を提供しているわじまティーンラボ。能登半島地震から子どもたち自身や環境も変化し続けています。子ども・若者たちに寄り添い新しい居場所をつくる人の募集です。
わじまティーンラボを運営するNPO法人じっくらあとは、2022年に設立された新しい団体です。
2023年12月には、地元の高校生たちの声を取り入れながら施設のリニューアルを行い、地域の子ども・若者たちの居場所としての活動を本格的に始めようとしていた矢先、2024年1月1日に能登半島地震が輪島市を襲いました。幸いにも建物は大きな被害を免れ、修繕を経て、7〜8月にかけて最終工事を行うことで今後も利用が可能となります。しかし、輪島市で暮らす子どもたちは、現在も仮設校舎で制限のある環境で学び、公園の多くは仮設住宅の建設地となっており、安心して過ごせる場所が不足している状況です。とはいえ、10代の居場所や選択肢の少なさは震災前から続く課題でもありました。
地域の子どもが減り、学校が減る中で、子どもたちと関わる大人の数も減っています。わじまティーンラボは、そうした子どもたちにとって、「家」でも「学校」でもない“第3の居場所”です。
ここでは、小学校高学年から高校生までの10代が安心して過ごし、遊び、語り合うことができます。また、輪島市を含む能登地域には大学がなく、高校卒業後に多くの若者が地元を離れていきます。
10代のうちに豊かな経験を積み、心身ともに健やかに育つことは、能登の未来を育てる大きな力になります。2024年は「復興元年」です。わたしたちはこの年を、次のステップへ進む大切な一歩にしたいと考えています。
子ども・若者たちが安心して過ごせる場所、そして多様な学びや生き方に出会える機会を、一緒につくっていきませんか?
プログラム要項
仕事内容 |
【STEP1】子ども・若者たち・地域を理解する ・わじまティーンラボには小学校高学年から高校生まで様々な年代の子どもたちがやってきます。彼らがどうしてティーンラボに来てくれているのかを知りながら、輪島市や輪島市に暮らす子ども ・若者たちを取り巻く状況を理解してください。 能登半島地震で町は大きな被害を受け、大人たちだけでなく、子ども・若者たち自身の環境も大きく変化しています。ティーンラボにやってくる子どもたちと接しながら今の気持ちに寄り添ってみてください。
【STEP2】アイディアをまとめる ・子どもたちの様子を見たり、話したりする中で感じたことをベースに輪島市内で暮らす子どもたちに対して提供したい機会について企画(体験・学びの創出)のアイディアを スタッフやボランティアと一緒に考えていきます。また、輪島市内の大人や、輪島市で活動する外部の専門機関とも相談しながら、多様な視点から今の子ども・若者たちに 必要なものは何なのか?を考え、アイディアを練っていきます。
【STEP3】広報 ・企画の内容が固まったら、わじまティーンラボの活動を届けるための広報活動も行っていただきます。ティーンラボは、他の世代と比較すると中学生の利用がまだ少ない傾向にあります。輪島市の10代に届けるため、学校や関係機関と連携して広報を行うことや、 SNSでの発信も想定しています。
【STEP4】企画の実施・ふりかえり ・アイディアに基づいて輪島市や能登半島の子ども・若者たちに届ける企画を実施していただきます。 ※夏休みは若者たちにとっても重要な期間のため、外部の機関や団体と連携したイベントなども想定しており、そうしたイベントも一緒に運営していただく予定です。
|
インターン生に期待する成果 |
・利用者と関わりながら、今の子ども・若者たちのことを第一に考えた居場所づくり ・10代の安心・安全を支える多様な機会と学びづくり ・わじまティーンラボを安心安全な場所として一人でも多くの10代に届けること |
インターン修了時に得られる経験 |
・地域における10代の居場所づくりを実践する経験 ・10代の居場所づくりに繋がるコミュニケーションを実践する機会 ・地域で10代を支える多様な関係者や大人たちとの関係性 ・能登半島地震から立ち上がる被災地の今を知り、これからも続くつながり ・子どもたちや他のスタッフと共にゼロから企画を立ち上げ実行する力 |
対象となる人 |
募集人数:2人 高校生の応募:不可 ・地域での10代の居場所づくり、多様な学びの機会づくりを実践してみたい方 ・子ども・若者たちを尊重し、安心安全な居場所づくりを第一に心がけられる方 ・誰とでも謙虚に、積極的にコミュニケーションが取れる方 |
活動条件 |
参加型:住み込み 活動期間:8月12日~9月15日の約1カ月間(日程の相談可能です) ※8/23は地域の夏祭りがあり、ぜひご参加ください。 活動時間:10:00~20:00のうち8時間程度(週5日間) 交通費:現地までの交通費は自己負担(県の補助制度あり) ※現地での交通費は支給予定(宿泊先からはバスで20分程度) 宿泊費:受け入れ先が負担 ※食費やそのほかの生活費等は自己負担となります。 |
活動場所 |
日程により、活動場所、宿泊場所が変わります。 活動場所:①8月初旬~8月26日 わじまティーンラボ修復工事のため、輪島市河井町周辺で活動予定 ②8月26日~9月末 わじまティーンラボ(輪島市河井町23部1番地150)
宿泊場所:①8月中 「のと復耕ラボ」が運営する茅葺庵(かやぶきあん)の一室の予定 共同生活。個室室内テント部屋。お風呂・キッチンは共同。 ※地域のルールや共同生活のルールを守れる方を優先します。
②9月~ わじまティーンラボでの滞在も可能。
|
活動支援金 |
4万円 |
事前課題 |
マッチング後に、ご連絡します! |
団体の紹介
ミチクサでつながる明日の自分との出会い
NPO法人じっくらあとでは、地域の子どもたちが希望をもって未来を描けるように5つのミッションを掲げ活動しています
①わじまティーンラボの運営
10代の子どもたちが安心・安全に地域で楽しく過ごせる居場所づくりをしています。多様な体験や繋がりの場の提供を目指しています。
②子ども相談窓口
子どもや、子どもに関わる大人に向けたお茶会「ラボカフェ」や、中学校での「保健室カフェ」を定期開催しています。
③わじま先輩バンク
各方面で活躍する輪島の先輩たちから学びの機会をつくります。
高校卒業後も含めた輪島の人的資源を繋げます。
④生きる力を育む授業の実現
小・中・高一貫した学校との協同した取り組み。講演授業やワークショップを行います。
⑤子どもに関わる皆さんとの連携
子どもに関わる各機関、専門職、地域住民の連携・情報交換・研修を行います。
⑥出張ラボ
輪島市の小中高校へスタッフがお邪魔し学校で交流の場を作ります。
⑦輪島高校「総合的探究の時間」伴走支援地域団体として週1回の授業に参加し、地域リソースと生徒をつなぎ、伴走する支援を行います。
代表者 |
小浦詩 |
設立 |
2022年 |
従業員数 |
4名 |
ホームページURL |
https://www.instagram.com/wajima.teen.lab/ |
住所(郵便番号なし) |
|
受け入れ団体からのメッセージ
学校でも家でもない第三の居場所。
この地で暮らす子どもたちに「ミチクサ」をはじめまして。NPO法人じっくらあと理事長の小浦詩です。
子どもたちにとってこの地での暮らしが豊かな日々であることを願い、元気に巣立つ子どもたちを応援することをライフワークとしています。
輪島に限らず過疎地域では、地域の縮小とともに学校が減り、子どもたちを応援する繋がりが見えにくくなっています。変化が起こりにくい、感じにくい毎日に子どもたちは閉塞感を感じているのではないか。私たちは生きづらさを抱えている子供たちの声を聴くことができていないのではないか。そんな危機感を持つ仲間とともに2022年NPO法人じっくらあとを立ち上げました。2024年は能登に暮らす私たちにとって、とてもとても厳しい一年でした。
なりわい、いとなみ、家族のこと、地域のこと、混乱の中たくさんの選択を迫られ、無我夢中で歩んできた1年でした。今の輪島は、公費解体が進み、更地が広がり、至る所に仮設住宅が建ち並んでいます。この地域が復興する未来をどうやって描けるのだろうか、先が見えない今です。しかしそんな中でも、今を生きる子供達がいて、この地での暮らしを望む住民たちがいます。これまでの歴史、文脈を理解し、大切なものを無くした今を癒しあうこと今を生きる子供達を応援し、新しいこれからを作り上げていくことこの両方がこれからのこの地域には必要だと感じています。
未来を切り開く子供たちの持つ力を軸に新たに地域全体のつながりを再構築していく復興のプロセスに、ぜひ皆様の熱い力をお貸しください!
代表/小浦詩
大分県出身。
富山県内で小児科医として10年勤務したのち、2017年に輪島出身の夫とともに家族で輪島市に移住。
4世代8人で朝市通りに暮らす。現在、医師としてごちゃまるクリニック、輪島病院小児科外来で働く傍ら、NPO法人じっくらあとを立ち上げ、10代の子どもたちの居場所づくりに取り組む