住民と対話を重ね、復興の足がかりをつくるプロジェクトに挑戦!
能登・七尾市全2.4万世帯への「ローラー訪問」を3月末までに完遂し、誰一人取り残さない支援を目指すプロジェクト。現場訪問とデータ整理を通じ、復興のラストワンマイルを繋ぐ学生を募集しています。
能登半島地震から2年 — 今なお深い地震の爪痕
石川県能登半島は、日本海側に位置する日本最大級の半島です。三方を海に囲まれ、豊かな里山と里海が共存するこの地は、日本で初めて「世界農業遺産」に認定された地でもあります。独自の伝統文化や祭りが息づき、人々の温かいコミュニティが守られてきた、日本の原風景が残る場所です。
2024年1月1日に発生した能登半島地震は、この平穏な日常を一変させました。発災から2年が経過した現在(2026年1月)、主要インフラの復旧は進みつつありますが、建物被害の爪痕は深く、今なお仮設住宅での生活を余儀なくされている方や、公的な支援に繋がっていない方々が多くいらっしゃいます。 また、震災以前からの課題であった少子高齢化・過疎化が加速し、「コミュニティの再建」と「個々の生活再建」の両立が、能登全域で共通の大きな壁となっています。
今回のプロジェクトの舞台となる七尾市は、能登半島の付け根部分に位置し、古くから能登地方の経済・行政・文化の拠点として栄えてきた町です。しかしこの七尾市も、地震によって、古き良き町の風景を形づくる店舗や住宅が甚大な被害を受けました。現在は目に見える瓦礫は当初より少なくなっているものの、課題は「心のケア」や「制度の隙間」へと移行しています。「家は直ったが、将来が不安で閉じこもりがち」「公的な支援制度に当てはまらない困りごとがある」といった、外からは見えにくい、かつ個別性の高い悩みが浮き彫りになっています。
七尾市の民間災害ボランティアセンター「おらっちゃ七尾」とは
こうした課題に対し、行政の手が届きにくい隙間を埋めるべく活動しているのが、民間ボランティアセンター「おらっちゃ七尾」です。 「おらっちゃ」とは、能登の言葉で「私たち」を意味します。その名の通り、住民の目線に立ち、制度の網からこぼれ落ちてしまう人々を一人も取り残さないことをミッションに掲げ、これまで倒壊した家屋からの家財道具の搬出やゴミの仕分けのほか、地域コミュニティ再建に向けた「お茶会」や「ローラー訪問」、福祉的支援が必要な方へのサポートまで、多岐にわたる活動を展開しています。七尾市と連携・協働しながら、被災者一人ひとりが主体的に復興へと進むためのプラットフォームとしての役割を果たしています。
このプロジェクトが目指すもの
今、おらっちゃ七尾が最優先で取り組んでいるのが、七尾市全世帯を対象とした「ローラー訪問(全戸ヒアリング)」です。
どんなに優れた支援制度も、困っている人がその存在を知られなければ、あるいは声を上げられなければ届きません。おらっちゃ七尾は一軒一軒のお宅を訪ね、玄関先で対話を重ね、罹災状況や今の困りごとを直接伺っています。
支援の網からこぼれ落ちてしまう人々を一人も取り残さないように、七尾市全24,000世帯の訪問を目標に掲げています。
この途方もないミッションをこれまで支えてきたのは、志を持った大学生インターン生たちです。彼らはおらっちゃ七尾のスタッフの一員として地域を歩き、全24,000世帯のうち、すでに10,000世帯(2026年1月時点)への訪問を完了させました。 玄関先での何気ない会話から、「実は屋根が壊れたままで……」「誰にも相談できなかった」という切実なニーズを掘り出し、行政や専門支援団体へと繋ぐ「架け橋」となってきました。
それでもまだ半数以上の方々のニーズが掘り出せていません。おらっちゃ七尾は、行政との連携をさらに強化して支援の輪を広げるべく、年度末(2026年3月末)までに残りの14,000世帯を訪問することを目指しています。
しかし約半年に渡って活動してくれた大学生インターンが卒業したこともあり、圧倒的に人手が足りていません。また、訪問で得た貴重な「現場の声」を整理し、迅速に支援へ繋げるためのデータマネジメントを担う人材も不足しています。
このプロジェクトは、「誰一人取り残さない」という信念を、七尾市全域で形にする挑戦です。七尾市の復興にあなたの力を貸してください!
Screenshot
プログラム要項
| 期待する成果 |
【定性目標】 ①ローラー訪問のリーダーとして、パートナーのボランティアを支える役割を担っている。 ②ステークホルダーと連携して動けるような関係性が築けている。 ③聴取したニーズを支援に繋げるための情報整理ができている。 【定量目標】 ④定められた世帯数をローラー訪問し、ニーズを聴取している。
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| 活動内容 |
【STEP1.復興の現場を知る】(1週間目) 「おらっちゃ七尾」の活動の一つに、七尾市の世帯1軒1軒を訪問し、ニーズを聴取する「ローラー訪問」というものがあります。ローラー訪問は基本的に2人1組で動くため、まずはリーダーに帯同して住民を訪ね、ニーズの聴き方や信頼される関係の築き方を学んでいきます。
【STEP2.リーダーとしてローラー訪問する】(2週間目) 1週目で学んだことを活かしながら、ローラー訪問のリーダーとしてパートナーのボランティアさんを支えます。 また、必要に応じて、家屋の片付けや仕分けなどの作業案件や、福祉的支援が必要な方のために申請に同行する支援を行っていただきます。
【STEP3. 聴取した情報の取りまとめ】(3週間目) ローラー訪問や、作業案件などを引き続き行うと同時に、これまでに聴取した情報を重要度や種類に応じて分類し、支援に繋げるために情報の確度を上げていきます。
【STEP4.関係各所と関係を構築・企画の立案】(4週間目) ローラー訪問や、作業案件などを引き続き行いながら、関係各所と復興の状況について共有する「情報共有会議」に出席するなどして、復興支援を担うステークホルダーと関係を築いていきます。 また、コミュニティ再建に向けた「お茶会」や「おしゃべり会」、もしくは新規ボランティアの勧誘を兼ねたイベントを企画します。
【STEP5.企画の実行・引継ぎ】(5週間目) STEP4で立案した企画を実行します。 その後、企画の振り返りを行い、次期インターン生が参考にできるように、引継ぎ資料を作成します。
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| 得られる経験 |
■ リアルな復興の現場を見て、災害復興の課題や展望をプレイヤー達と共に考える経験 ■ 多種多様な方とコミュニケーションをとり、信頼関係を築く力 ■ イベントの企画・運営を通じた他者の巻き込み力 ■ 自分で課題を抽出して、解決のために逆算思考で動く力 ■ 能登で滞在し、能登のプレーヤーと共に暮らし・生活する経験
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| 対象となる人 |
■ 災害復興の現場や課題に関心があり、自らも復興を担う一員になりたい人 ■ 多種多様な方とコミュニケーションをとることが好きな人 ■ 福祉文脈でのコミュニティ再建について学びたい人 ■ 災害復興最前線の現場や、そこで求められる考え方・手法を知りたい人
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| 期間 |
(短期)1〜1ヶ月半 ※期間や開始時期は相談可能。 |
| 活動条件(目安) |
■ 普通自動車の運転免許を持っている方 ■ 日数:週3~5日程度 ■ 時間:9:00~18:00(基本活動時間は8時間、休憩時間1時間)
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| 活動場所 |
■ 活動場所:民間災害ボランティアセンター おらっちゃ七尾(石川県七尾市石崎町ソ-21-1(旧石崎保育園内)) ■ 宿泊場所:石川県七尾市インターンハウス ・ 17,000円/月(共同食費生活費/水道光熱費ネット代込み) ・活動場所まで車15分
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| 募集人数 |
1人 |
| 活動支援金 |
30,000円/月 |
受入団体からのメッセージ
代表理事/今井 健太郎
僕たちが大切にしているのは、相手に寄り添う気持ちです。ローラー訪問では、一軒一軒地域を訪ね、被災者の生の声を聞きながら、必要な支援につなげていきます。支援制度の仕組みを学びながら、被災地の今を知ることができる、 大切な一歩となる活動です。
何か特別なことができなくても、誰かの力になりたいと感じている方であれば、ぜひ来ていただけると嬉しいです。