能登半島(石川県)七尾市に、創業23年を迎えた民間まちづくり会社「株式会社御祓川(みそぎがわ)」があります。2015年に、市民大学「御祓川大学」を開校し、全国から訪れるインターン生が歴代のコミュニティマネージャーを務めてきました。
ところが、2020年からの新型コロナ大流行をはじめ、御祓川大学を取り巻く環境が変化したことで、目指す市民大学の在り方を再検討し、2021年下半期からは新生「御祓川大学」の運用へと舵を取り始めます。
そこで、新たに一緒に御祓川大学の運営を担ってくれるコミュニティマネージャーを募集します!
創業22年。老舗まちづくり会社「株式会社御祓川」
七尾の街中を流れる二級河川「御祓川」は、株式会社御祓川が設立した1990年代、人も寄り付かないような臭くて汚いドブ川でした。古くから人々は、人が生きる上で欠かすことのできない水=川の流れる場所に集落を形成し、川との関係を保ちながら暮らしてきたはずですが、時代の流れの中で川が汚染されていったという事実は、まさに人々と七尾のまちとの関係性が脆弱になっていることの象徴のように思われました。
そのような背景から、川の浄化活動・川沿いの賑わいづくりから始まった御祓川の事業は、設立当初から”「まち」・「みせ」・「ひと」の関係を再生する”をスローガンに、地域の中で必要な役割を担うため、現在は、ネットショップの運営や人材コーディネート、市民大学など柔軟に事業内容を変化させながら今日に至っています。
御祓川大学プロジェクト
拠点となる建物「banco(バンコ)」を、大学生や地元民と共にリノベーションして、まちづくりの新拠点が生まれたのは2015年の10月のこと。bancoは、大正時代に「銀行」として建てられた後、長く電器屋として活用され、その後は誰も寄り付かない空き店舗として7年が経過していた建物でした。
「商店街の入り口にある空き店舗を、市民大学として生まれ変わらせる」というこの壮大なプロジェクトは、「大学の無い能登で、誰もが自由に学び、培われた知識やスキル・想いが、地域に還元されていく場所になってほしい。誰もが伸び伸びと挑戦できる場所になりますように」というインターン生(1期)の熱い想いからスタートしました。
「人が育ち、まちが育つ」。開校から現在にかけて、ココでは様々な学びと新しい挑戦が生まれています。
地域に挑戦を生み出す場所へ
御祓川大学は、市民が主体的にまちを育て、100年後も続く「小さな世界都市」を実現していく「未来を育てるひと」を育てる市民大学として、「哲学」「技術」「実践」の3つのサイクルを生み出すための学びの機会を提供しています。これまでリアルやオンラインの場で、さまざまな分野や、御祓川が強みとする「まちづくり」をテーマとした講座を開講したり、イベントやツアーなども行ってきました。
ところが、新型コロナウイルスの流行により、特にリアルでの学びの場を作り続けることの難しさに直面し、
ほぼすべてのコンテンツにおいて、オンラインへの切り替えを余儀なくされることに・・・
規模を縮小しながらも、オンラインだからできることにも目を向けて学びの場を作っています。
今回募集するインターン生には、対話コンテンツの運営も担っていただきます◎
今、御祓川大学が取り組んでいることは、主に以下の4つです。
1.読書&対話をベースとした朝活オンラインサロン「Active Book Dialog 」
近年注目されている未来型読書法「アクティブブックダイアログ(ABD)」。
課題となる本を1冊決めて、参加者全員でその本を分担して読み進め、担当箇所を共有し合います。
その過程で、本の内容に関する感想や自分自身の考えなどを対話を通して深めていきます。
今の課題図書は・・・話題の「ティール組織」と「人新生の資本論」!
2.よなよなワールドカフェ
御祓川大学では、「哲学」「技術」「実践」の3つのサイクルを生み出すための場。
これまでは技術を学ぶ場や実践の場を多く生み出してきましたが、「哲学」を深める場はあまり作り出せていま
せんでした。そこで、新型コロナ禍以降にはじめたのがこのワールドカフェ。哲学カフェのように、答えなき問
いに対して、トコトン参加者同士で対話を深め、自分の価値観や哲学を磨いていく場です。
3.こども・大人プログラミング教室
御祓川大学の「技術」系講座の代表格・・・プログラミング教室!
毎週火曜日、時間別に「大人向け講座」と「こども向け講座」を開講しています。
現在の受講者は、小学生が10名程度、大人が数名(80歳超えのおばあちゃんも!)。
そのため火曜の夕方は、こどものエネルギーがいっぱいでbancoが賑やかになります。
4.bancoとかえるライブラリー
bancoの一角にある本のライブラリーコーナー。
地域の人から寄贈された本(思い入れのある本)が置いてあり、気に入れば買うことも出来る仕組みです。
本を通して、地域の中・高校生と大人たちが交われる場になればという想いから運営されており、
現在、かえるライブラリー担当のインターン生が、地元の鉄道会社とのコラボなどを企画してくれています。
御祓川大学の”最大&最強の難題”に立ち向かうチャレンジャー募集!
御祓川大学が開校した2015年から、実はずぅーーーっとぶつかり続けている最大にして最強の課題があります。
それは・・・御祓川大学の持続的な収益モデルを確立すること。
御祓川大学には、年間200万円のほどの経費がかかっており、事業として、収益の中で賄っていきたいと考えています。これまで、講座やイベントなど収益源となるコンテンツはある一方で、部分的な収益はありつつも、持続的なモデルにはなりきれていません。
そこで、御祓川大学の収益化モデルを再検討し、コンテンツの質の引き上げ&運営とセットで安定した収益モデルを確立していきたいと思ってます。過去6年間で解決できずにいた難題に立ち向かう、難易度MAXなプロジェクトにジョインしてくれるチャレンジャーを募集します!
プログラム要項
期待する成果 |
〈定性目標〉 ・対話型コンテンツ等、既存のコンテンツが安定して運営出来ている状態。 〈定量目標〉 ・既存のコンテンツ収益=月50,000円
|
仕事内容 |
【STEP1】<御祓川大学(株式会社御祓川)を知る> まずは、御祓川大学(株式会社御祓川)の全体像を掴むために、会社のビジョンや御祓川の歴史・現在の事業等についてインプットを行います。また、スタッフの一員として、御祓川大学やbancoの運営ルーティンを覚え、bancoのシフトにも入りながら実践の中で仕事を身に付けて行きましょう。
【STEP2 】<コンテンツを運営する> 「ABD」や「よなよなワールドカフェ」など、御祓川大学のコミュニティマネージャーとして既存のコンテンツ運営を担当します。毎回の対話テーマ決めや事務局としてのお仕事などを担います。より良い対話の場となるよう、コンテンツ自体の質も高めていきたいところです。
【STEP3】 <収益モデルを検討する> 御祓川大学の収益モデルについて、社内外を巻き込んで再検討します。 社内のリソースや強みを踏まえて仮説を立てていきましょう。
【STEP4】 <ターゲットにアプローチする> 収益モデルの再検討に伴って設定したターゲットに対してアプローチします。SNSでの情報発信や営業活動など、ターゲットに即した方法で集客します。
|
得られる経験 |
■ 能登の豊かな里山里海をロケーションに、暮らし・はたらく経験 ■ 新型コロナなどのビジネス危機から得た学びから、企業の経営基盤を構築する考え方 ■ 周囲を巻き込み、人を動かしながらプロジェクトを動かす経験 ■ 会社/個人として哲学を以って対話の場をつくるフィールド・経験 ■ 小さなビジネス・経営における「持続可能性」にチャレンジする経験
|
対象となる人 |
■ まちづくり会社の仕組みやソーシャル・キャピタルの巻き込み方を学びたい人 ■ 地域におけるコミュニティ・場作りを実際の街をモデルに実践してみたい人 ■ 思い描くゴールに向けて、「できる思考」を使って形にしていく経験をしたい ■ 地方のベンチャー企業の想いや事業構築、収益化に関心のある方 ■ 営業・販売促進・マーケティングに興味がある方 ■「教えてもらえる」立場ではなく、受入企業と一緒に学び成長していくスタンスを持てる人
|
期間 |
(長期)2021年11月~2022年7月までのうち4〜6ヶ月 ※期間は相談可能 |
活動条件(目安) |
頻度:週3〜5日程度 →石川県外大学生は「休学」での参加も可能(多数実績あり) ※宿泊施設:インターンハウスななお → 15,000円/月(共同食費生活費/水道光熱費ネット代込み) |
活動場所 |
石川県七尾市 |
活動支援金 |
あり |
受入団体紹介
まち・みせ・ひとを育てる、能登の民間まちづくり会社です
石川県七尾市の中心を流れる御祓川の再生から立ち上がった民間のまちづくり会社です。
「小さな世界都市・七尾」の実現に向け、まち・みせ・ひとの関係を軸に、様々な事業を展開しています。
・まち育て:市民のまちづくり拠点の整備、運営 ─ 御祓川大学
・みせ育て:能登の商品を全国に発信するネットショップを展開 ─ 能登スタイルストア
・ひと育て:能登の地域課題解決の現場に、全国の若者をマッチングする国内留学プログラム ─ 能登留学
団体名称 |
御祓川大学プロジェクト |
事業内容 |
まちづくり |
設立 |
1999年6月23日 |
代表者 |
森山 奈美 |
従業員数 |
4人 |
経営者からのメッセージ
生きた「まちづくり学校」を動かそう
御祓川大学プロジェクトは、インターン生たちがいなかったら実現しなかったと思います。私自身、何も経験がなくて、ただがむしゃらにやっていた20年前と違って、社員を始め、多くの人たちが関わることで、この場所の価値が高まっていることを感じます。この活きた教材を使って、ぜひ「まちづくり」を肌で学んで欲しいと思います。これから全国のまちづくりで活躍するであろう、コーディネーターの卵と一緒に、悩みながら、楽しみながら、プロジェクトを進めたいと思います。
代表取締役/森山 奈美
1973年2月 石川県七尾市生まれ
1995年3月 横浜国立大学工学部建設学科建築学コース 卒業
1995年4月 株式会社計画情報研究所
1998年12月 「民間まちづくり会社」が必要だと考え、企画書を作成して提案。
1999年6月 株式会社御祓川 チーフマネージャー兼務
2007年9月 同社 代表取締役就任
お問い合わせ