OBOGインタービュー第三弾は、津田塾大学の長根 蕗さん。
大学のプログラムを有効活用しながら自身の想いを実現させた、長根さんの挑戦の記録をどうぞ。
長根 蕗(ながね いぶき)
岩手県洋野町出身 津田塾大学3年(当時)
インターン期間:2017年3月, 2017年6月中旬〜8月末
カンボジアでの経験を経て、興味の対象が変わった。
ー 国内での活動に関心を持ったきっかけは?インターンをしようと思うようになったのですか?
「元々は国際協力に関心がありました。でも大学や学生団体での学びを通じて、海外から国内、特に地元での活動に”関心の対象”が変化したことがきっかけです。そして、どう勉強していくか考えたとき、自分の目で現場を見れる”インターン”という選択肢を持つようになりました。」
ー そんなときに、Facebook広告で「能登留学」を見かけた?
「はい。大学2年までは海外に飛び出そうとしていて、”○○留学”や”○○語学研修”などを検索していたのですが、関心の変化に悩むタイミングでたまたま”能登留学”という広告を見かけて。気づいたら、能登留学が最後に検索した”留学”になっていました。笑」
ー FB広告もばかにならないですね。笑 そういえば、なぜ「長期」での挑戦を考えていたのですか?
「自分自身は短期間で学びを得られるほど器用な存在ではないと思っていたので。でも休学までは踏み切れないな、と考えていたとき、通っている津田塾大学で”ギャップターム“という新しい制度ができたのでそれを活用しました。」
自身をよく分析して、大学の制度を上手く活用して、休学せずに長期のインターンへ挑戦した長根さん。ここからは、彼女が挑戦したプロジェクト、そして得たものを紹介していきます。
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津田塾 ギャップターム制度:クオーター制の第2学期+夏休みをキャンパス外の活動に活用できる津田塾大学独自の制度。長根さんは、ギャップタームに春休みも加え、休学せずに4ヶ月弱のインターンに挑戦することを実現。
第2回オンパクサミット@能登の様子。全国から地域づくりの実践者が集まりました。
経験できることが分かっていて、オンパクプロジェクトを選んだわけじゃなかった。
ー 選んだプロジェクトは、全国の地域づくり実践者が関わるオンパクでしたね。どこに面白いと思ったのですか?
※オンパク = 別府から始まった観光まちづくりの手法の1つ。近年話題のDMOの基礎となる考え方。
「全国から地域活性化に取り組む人たちが集まるイベントを企画する内容であったから、より効率的に地域づくりの情報を集められる、関わる人と出会えると思ったからです。地域経営の最前線に立つ方々から、これから始めようとしている方々まで幅広い層に触れ、自分なら地元にどんなアプローチで関わりたいか考えたいと思い、選びました。」
ー プロジェクトの軸は、イベント企画運営でしたよね?
「イベントの企画から運営まで裁量を与えてもらえる内容でした。そうすると何をするにも、順序立てて必要な作業を計画通りにこなしていく必要があります。これは、地元に戻って活動する際にきっと必要になるだろう、そのノウハウを少しでも身に付けたい、と思い挑戦することにしました。」
ー 実際に裁量を持って取り組んでみて、今どう感じていますか?
「最終的にサミットのコンテンツ自体からも多く学ぶことができました。地域活性とヒトコトで言っても、地域によっても、手段によってもそのカタチは異なる。その中で多くのモデルケースを知ることができましたし、同時に様々な方面で活躍している方々に出会い、自分は地元でどんな生き方をしたいのか考えるきっかけとなりました。」
ー 現場で活躍している人たちから質の高い情報を直接もらえる機会は中々ないですもんね。
「はい。やはり、自分の目で見て、耳で聴き、自分の足で赴き、多くの方々の生き方に触れるということは大切だと強く感じました。日本一周したいくらいです。笑」
プロジェクトの進み方や概要を見て学べることがあると考えていた長根さん。しかしオンパクの手法そのものが自分の地域に活かせるかもしれない、というところまでを考えてこのプロジェクトを選んだわけではなかったそう。偶然の出会いは、「そういうところにいつも運を使っている。笑」とのことでした。そういう”直感力”を持っているのかもしれません。
第2回オンパクサミットのプロデューサーを勤め上げました。
変化をしながらも変わらない何かを持てる人
ー 能登留学に参加してみて、難しいな、と思ったことはありましたか?
「今回私は、まちづくり会社でのインターンを行いました。東京でも、自分の地元でもない場所でまちづくりを学ぶということは、学んで終わりではなく、自分が活動する地域へ落とし込む、互換性・柔軟性などが必要となってくると感じています。単純に仕組みを使うことができない、そこが他地域のまちづくり会社でインターンをする難しい点かと。」
ー この内容は、これから能登留学に参加する人が見てくれます。参加前のインターン生に投げかけたいメッセージはありますか?
「自分で自分のキャリアをデザインしていくほどの熱意があるかどうかを、自分自身に問いかけるべきだと思います。」
ー ありがとうございます。では最後に、どんな人に能登留学をおすすめしますか?
「変化をできる人です。というよりは、変化をしながらも変わらない何かを持てる人。逆に言えば、変わりたいから行く!という人にはおすすめできないかもしれません。変わるか変わらないかは企業環境ではなく、結局は自分次第なので。」
強い芯を持って、大学がある東京でも、地元がある東北でもない「能登」で挑戦をしてくれた長根さん。実践者の言葉はとても重みがあるものばかりでした。これからどうするの?という質問に「ちゃんと社会人になる。組織に入って学ぶ。」と答えたのも、冷静な長根さんらしいものでした。ちゃんと社会人になって学んだ末に、将来的にどんな風に地元・洋野町に関わっていくのか、今から楽しみです。
白米千枚田のイルミネーション。インターン仲間と一緒に。
おまけ
ー 能登で印象に残った場所は?
「白米千枚田(輪島)です。イルミネーションもキレイでしたし、なにより(地元がある東北の太平洋側とは違って)夕日が沈んでいくことを見れる衝撃が大きかった。日本って広いんだなぁって。」
ー その視点は面白い。笑 では一番美味しかったものは?
「なんでしょう…どれも美味しかったですけど、一番は”まいもん処 いしり亭“のご飯でしょうか。他にも美味しいものがたくさんあったはずなのに…いしり亭の食事はどこか「懐かしい」味がしたから。ベテランのおばちゃんたちが長く作ってきたもので、シンプルだけど洗練されていて。」