この度弊社では、SROI(社会的投資利益率)を用いて
能登留学の社会的インパクトの測定を実施しました。
SROIとは、、、?
SROI(社会的投資利益率)は、社会的インパクト評価の1つです。
~社会的インパクト評価とは~
- NPOや社会的事業者が生み出す「社会的価値」を「可視化・検証」し、資金等の提供者への説明責任につなげていく。
- 評価の実施により組織内部でプロセスと結果が共有され、組織・事業に対する理解が深まるなど、組織の運営力強化に資する。
⇒ 社会的インパクト評価のひとつの手法であり、金銭的価値への換算が困難な部分も含む、
幅広い社会的価値も扱うものが、SROIです!
SROI( 社会的投資収益率 )= 金銭価値換算された社会的価値 ÷ 投資された費用
調査の流れ
本プロジェクトでは、受入れ企業4社の過去のインターンプロジェクトを中心にSROIの測定を致しました。
以下に記したステークホルダーを本調査の対象とさせていただきました。
●企業
・株式会社 高澤商店様
・まいもん処 いしり亭
・和倉温泉 ホテル海望様
・株式会社 スギヨファーム様
●学生
●地域
●コーディネート団体
SROI調査結果発表!
まずは、能登留学8年間分のSROIを発表致します。
8年間の能登留学のインパクトは2.43となっております。
投資に対し、2倍以上の価値があることが調査からわかりました。
次に、調査した企業4社のSROI値から発表致します。
株式会社 高澤商店
<海外事業部立ち上げプロジェクト>
能登・七尾で120年続く老舗和ろうそく店である高澤商店では、
伝統産業を海外に伝えるマーケティングプロジェクトを実施しました。
取引可能性のある海外企業の把握や海外向けにSNSの発信を重ね、
海外事業部の立ち上げに成功し、中途採用も実現することができました。
SROI 2.61
インパクト ¥10,310,200
インプット 2015年10月~2017年3月 インターン3人導入
まいもん処 いしり亭
<経営黒字化プロジェクト>
魚醤料理専門店のいしり亭では、現在4名のスタッフがおり、なんと全員65歳以上。
赤字であることを公表し、経営改革プロジェクトを行いました。
インターンシップの結果、赤字額の削減に成功し、スタッフの意識にも変化が見られました。
SROI 2.81
インパクト ¥10,556,750
インプット 2015年10月~2017年12月 インターン4人導入
株式会社 ホテル海望
<インターナルマーケティングプロジェクト>
ホテル海望は和倉温泉にある創業毎時23年の旅館です。
従業員の平均年齢は60歳以上である中で、従業員の意識改革や企業としての働き方改革が課題となっていました。
インターンシップでは、主に社内報の発刊を行うプロジェクトを行っています。
インターン生が従業員と関わることで、社内のコミュニケーションは少しずつ活発になりました。
SROI 3.23
インパクト ¥14,425,000
インプット 2015年10月~2017年9月 インターン6人導入
株式会社 スギヨファーム
<レストラン「香能の丘」立ち上げプロジェクト>
能登の食材を満喫できる、レストラン「香能の丘」。
インターン生が立ち上げから関わり、マニュアルの作成やイベントの定期開催の流れをつくったことで、
現在ではお客さんも増えて、賑わいのあるレストランとなっています。
SROI 1.92
インパクト ¥7,198,000
インプット 2015年4月~2016年8月 インターン2人導入
各企業のプロジェクト内容につきましては、企業インタビュー記事をご覧ください。
学生
能登留学では、コーディネーターが学生の学びや気づきをサポートしてくれます。
そして、共に喜びや悩みを分かち合うかけがえのない同期の存在は、能登留学ならではと言えるでしょう。
SROI 2.29
インパクト ¥51,480,000
インプット 企業へのインターン生 132人
地域
能登留学では、石川県外の学生が多く参加します。
そのため、七尾市の関係人口は増え、地域の活性化に繋がっています。
SROI 算出不可
インパクト ¥16,336,000
インプット ¥0
コーディネート団体
能登留学の実施により、弊社は地域の経済団体とのつながりを生み出すことができております。
SROI 1.94
インパクト ¥28,040,000
インプット コーディネーター
SROI測定を終えて
本来困難である、社会的な価値の可視化を行うことで、
改めて地域へのインパクトは計り知れないと感じました。
今回、地域のSROIは測定できませんでした。
それは、定量的にみることがとりわけ難しいこと、変化が多岐にわたり、
細分化し抽出することが難しいためであります。
しかし、数値化できなかったとはいえ、
8年間の能登留学による地域へのインパクトは、七尾の未来につながる一歩となっていると思います。
「本来ここにいるはずのない大学生が、七尾に来る。」
これだけでも、大きなインパクトがあるはずです。
価値は流動するものであり、相互に影響しあうものであると考えています。
SROI値は、あくまでその価値の一面を捉えたものにすぎません。
今回のプロジェクトが、今後の能登留学の価値をさらに高めていくきっかけになればと考えております。