ドラマのモデルになった、山間集落で営む小さな直売所の課題解決に挑戦!!
能登半島の入り口に、日本で唯一、波打ち際をドライブできる砂浜が名所の羽咋市(はくいし)があります。その砂浜の反対側に向かって山手に10分ほど車を走らせると、一躍有名になったブランド米の生産地、神子原(みこはら)という集落にたどり着きます。
今回のインターンは、その名の通り、まるで神の子たちが走り回っていそうな美しい棚田風景を保つこの集落で地域を守り継ぐ、直売所「神子の里」が舞台です。 神子原集落をはじめ、神子の里の設立やブランド米の生産など、ここでの出来事は、TBS日曜劇場で放送されたドラマ「ナポレオンの村」(2015年)のモデルになりました。
限界集落における地域づくりの”成功モデル”としてもよく紹介されるこの地域で、地域の盛立て人と一緒に課題解決に挑戦しませんか?
地元住民が100%出資して作った-地域の直売所『神子の里』
インターンの受入先となる直売所「神子の里」は、公共の補助金や制度に頼ることなく、自立した地域の中核商業施設として、2007年に農家を中心とした地元住民からの出資によって設立されました。
「自分たちの故郷は、自分たちで守りたい」という住民の想いが、100%地元出資という象徴的な設立背景につながっています。 店内には、ブランド米の『能登神子原米』や『神子原くわい(能登伝統野菜)』、地元栽培の蕎麦やレンコン、農家が地種で栽培する野菜や山菜、山野草やばあちゃんたちの手作り民芸品やお惣菜なども豊富に並びます。
神子の里では、住民の所得を向上させて離村や高齢化に対抗するため、農家が自分で商品の価値を決めて『よいものづくり』と『所得獲得』を両立させるべく、委託出品による産直事業を中心に据えた経営を行なってきました。 富山県との県境という立地もあり、今では小さな直売所ながら年間6万人以上が訪れる場所となり、休日ともなれば県内外のナンバー車が出入りしています。
移住者が社長に就任。そして今月『神子の里』リニューアルオープンしました。
インターンの受入担当者を務めるのは、13年前に神子原集落に移住をした武藤一樹さん。
武藤さんは、山間のご自宅で自家焙煎珈琲店「神音」を営む一方で、2018年に神子の里の代表取締役社長に就任し、現在二足のわらじを履いて活動されています。ご自身のデザインの見識を活かして商品パッケージを改良したり、神子原米を使った日本酒などの商品開発に力を入れてきたことで、神子の里のブランド力が高まり、小さなお店ながらも売上1億円を目前に捉えるまでになりました。
また、お店の拡大工事を行い、今年11月1日にリニューアルオープンしました。これまで売り場の広さに伴って扱える品数にも限りのあった販売スペースも広くなり、またイートインスペースも拡大したことで、よりたくさんのお客様をお迎えすることが出来るようになりました。神子の里は、さらに地域の中核商業施設としての存在感を大きくしていきます。
▲「北陸中日新聞11月2日掲載記事」より
神子の里の挑戦と課題-5ヵ年計画「地域の配達・配食サービス事業」に向けて
プログラム要項
期待する成果 |
〈定性目標〉
①神子の里が目指す「お店の在り方」が社内で共有され、目指すお店作りに向けたサービス向上の仕組みが出来ている状態
②5年後の「宅配・配食サービス」に向けて地域住民のニーズを拾い上げられている状態
〈定量目標〉
・スタッフへの聞き取り調査(リニューアル以前からのスタッフ5名)
・リピート顧客(50名)への聞き取り/アンケート調査
・地域住民(3町・約120世帯)へのニーズ調査
※定量目標の「数字(〇名など)」は、インターンスタート時に改めて設定します。
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仕事内容 |
【STEP1:神子の里・地域を知る】
まずは神子の里の店頭に立って接客やお店の運営に挑戦。現場に立って、スタッフやお客さんとの関係性を築いたり、お店のことや地域の事を知る期間。
【STEP2:神子の里の「現状」を知る】
神子の里のサービス向上に向けて、まずはリニューアル以前から神子の里で働いているスタッフへの聞き取り調査を行い、現状のサービス内容や目指したいお店作りなどそれぞれの想いや考えを引き出し把握します。また、リピーター顧客にも聞き取り(もしくはアンケート調査など)を行い、神子の里のサービスにおけるニーズを調査します。
【STEP3:調査結果を分析して整理する】
スタッフ・リピーターそれぞれから聞き取れた調査結果をフレームワークに落とし込んで分析し、「神子の里が目指す姿(ビジョン)」と「神子の里の強み」「神子の里の弱み」をそれぞれ見える化します。
【STEP4:具体の打ち手を提案して検証する】
分析結果から、神子の里が目指す店づくりに向けて、サービス向上(顧客満足度アップ)に対する具体の打ち手を考察・提案し、実際の現場で検証します。神子の里ブランドのサービスとして継続的に取り組むものは仕組み化をして引き継ぎましょう!
【STEP5:宅配・配食サービス化に向けたニーズ調査】
このステップは、STEP2~STEP4と並行して実施します。お店に来てくれる地域住民のお客さんに聞き取り調査をしたり、お出かけが困難な住民にはお宅まで訪問して聞き取り調査をする予定です。聞き取り調査だけでなく、アンケート調査等、手法は随時相談します。 |
得られる経験 |
・課題解決の基本的アプローチを実際の現場で経験することが出来る
・地方の過疎高齢化の現状を目前にした小さなお店の挑戦に飛び込む経験
・企業という側面だけでなく、集落(地域住民)との関係づくりにもコミットできる
・立場の異なる関係者それぞれと関係性を築き、人を動かす経験
・目の前の人や地域のために、自分に出来ることとひたすら向き合う経験 |
対象となる人 |
✓人や地域に関心があり、人と接することが好きで、人が楽しんでいることを喜びに出来る人
✓将来、地元や地方で地域づくりの仕事に就くことを希望している人
✓思い描くゴールに向けて、「できる思考」を使って形にしていく経験をしたい人
✓課題解決の手法を現場で学び、今後のキャリアに活かしたい人
✓地域づくりの理想と現実=リアルを身をもって知り学びたい人 |
期間 |
(長期)2020年12月~2021年3月 ※期間は要相談 |
活動条件(目安) |
■頻度:週5日程度
■参加の形式:石川県外大学生は「休学」での参加も可能(多数実績あり)
■宿泊施設:羽咋市移住体験住宅を予定(家賃なし) |
活動場所 |
石川県羽咋市 |
活動支援金 |
あり |
受入団体紹介
地元素材・特選素材を使ったお惣菜やスイーツが大人気の直売所。
よくある道の駅とは違い、世界農業遺産の棚田を守る、地元出資の新しい循環型コミュニティ創造企業です。
受入担当者:株式会社神子の里 / 代表取締役社長 武藤一樹さん
受入担当者からのメッセージ
こんにちは。神子の里代表取締役社長の武藤一樹と申します。 岐阜県岐阜市出身ですが、いまでは『いつか能登の土になれたら嬉しい』と思うまで、能登の地に惚れ込み、毎日満ち足りた豊かな暮らしを送っております。
私の20代は美術の大学生であった事も要因のひとつでしょうが、「将来どんな仕事で生計を立てているのか?」なんて、全く、全然描けない、真っ暗な就職氷河期でした。家の事情で仕送りも無く、学費も育英会から借りての卒業だった為、卒業後は直ぐに収入を得る必要がありました。 結婚もして、3人の子供に恵まれて、とにかく必死でした。
しかし、振り返ってみればそのおかげで早くから『自立』や『継続性』というキーワードを中心に進むことができましたし、何より縁もゆかりも無い移住者の私に対して神子原地区の皆さんは私を、じっくり見守り、温かくサポートして育ててくださいました。
この温かく豊かな土地を守りたい。
自分が得意とするデザインや商業の知識経験を活かしたい。
皆さんはまだ「得意」が見つからないかもしれませんが、私は「地域興し」をしたいなんて考えた事がありません。 ただ目の前の愛すべき土地と人々の役に立ちたい。 生まれたその想いのエネルギーに驚き感謝する毎日です。 皆さんにも必ず訪れる出会いです。 神子原でおまちしております。
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